トップアスリートの流儀 〜Vol.2〜 イチロー:結果を残し続けること【後編】

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苦悩とプレッシャーと達成

前回の【前編】では、イチローの数々の実績について書きました。前人未到の記録を打ち立て、数々のタイトルを獲得してきたイチローの功績に圧倒されます。

今回の後編では、プロの世界で結果を残し続けてきた背景の裏にあるイチローの苦悩やプレッシャーにフォーカスします。

まずその前にイチローがどのような功績や結果を出してきたのかその背景を知りたいという方は【前編】をお読みください。

トップアスリートの流儀 〜Vol.2〜 イチロー:結果を残し続けること【前編】

今回は野球にその人生を捧げた彼自身の輝かしい実績だけでなく、その陰に潜む壮絶な苦悩やプレッシャーにもフォーカスします。それらと常に向き合いながらも、野球界で圧倒的な結果を出し続ける「イチロー」の流儀をお伝えしていきます。

ビジネスの現場の最前線でご活躍する皆さまにとって、数字や売り上げ、プレッシャーなどと向き合いながらも結果を残し続けるという共通項を学べるのではないでしょうか。

記録達成と苦悩そして努力

重圧と向き合う

数々の記録を打ち立ててきたメジャーリーガー・イチロー

高校卒業後、ドラフト4位でオリックス・ブルウェーブ(現オリックス・バファローズ)に入団。才能を開花させ、そこからシーズン200安打など圧倒的な結果をつくってきたからこそ、周りの重圧は筆者の想像を超えるものかもしれません。

20歳ほどで、野球で活躍して名が通ることによって、大勢のマスコミやファンが殺到し、200安打や記録を打ち破って当然と見られる。どれだけ頑張っても結果がでなければ容赦のない批判の嵐。20代前半でこれだけの環境の変化に耐えながら努力できる人は多くはありません。

成績を残すことだけが自身の使命感のようになっていたからこそ、他の選手を圧倒する練習量をこなしていたのかもしれません。当時のことをインタビューで、大好きで始めた野球を嫌いになりかけ、憂鬱になり試合に出るのもバッターボックスに立つのも嫌になったときもあるとも語っています。

それでもヒットを打ち続け、試合に出続ける姿にもはや尊敬の念しかありません。

そこに彼のプロとしての自覚と高い基準を感じます。一般的な仕事に置き換えても、毎日出勤して結果を出すことは当然。ただ、プロスポーツの環境でプレッシャーと常に向き合いながら結果を残し続けるイチローの強さの根源とは一体何なのでしょうか。

やってきたことを続けること

2018年古巣のシアトル・マリナーズに復帰した今は選手としてではなく、同年5月3日スペシャルアシスタントアドバイザー(会長付特別補佐)に就任。この役職は、シーズン今まで通りチームとともに帯同しながら、選手にアドバイスを行うというものだ。この就任により、イチローは選手として今季残りの試合は出場しないという形になりました。

事実上の引退。

誰しもが、年齢も50歳に近いことも考えれば、たとえイチローと言えど、いよいよ引退が現実的になってきたかと考えてしまうのもおかしくありません。
ですが、イチローは今までと変わらず毎日トレーニングを重ねています。契約上、試合中のベンチには入れませんが、ベンチ裏のダグアウトからトレーニングをこなし、オフの日でもトレーニングは欠かさないそうです。

やってきたことを続けること。

イチローは、試合に出られないからといって、ソファーでテレビを見るということはしません。オフシーズンや試合がない日であっても常に毎日のルーティンを欠かさず、トレーニングに打ち込む。彼自身も毎日続けることで自信やモチベーション、メンタルをキープしてるように思えます。

そして彼は、2019年シーズン選手復帰に向けバッティングフォームの改造にも取り組んでいます。イチローは常々「最低50歳」まで現役でプレーすると語り今でもデビューした時と変わらず走りつづけています。生活の一部を捧げてテレビや球場で応援するファンにそむくことはできないとテレビ取材で語った通り、「プロ」として高い基準でプレーする彼をいつまでも応援し続けたいと思っています。

まとめ

今回はイチローから学ぶ流儀【後編】をご紹介しました。

誰しもイチローのような圧倒的な結果を出す人は、人とは違う生まれつきの才能や特別なやり方を持っているものだと考えてしまいます。

しかし、大事を成し遂げることに生まれ持った能力は関係ありません。イチローのように誰もができる当たり前のことを誰よりもやり抜く努力とやり続ける継続こそが、大きな結果を生み出すのだということを彼のプレーを見て筆者自身が学びました。

そんなイチローがNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演した際に、彼は「プロフェッショナルとは?」という問いにこう答えています。

<<ファンを圧倒し、選手を圧倒し、圧倒的な結果を残す、ということです>>

(引用元:2008/01/02 NHKテレビ番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」)

この言葉をイチローが言うからこそ、深みのある言葉になりますね。彼は数々の達成とは裏腹にそれ以上の悔しい思いや苦しい思いをしてきてもそこから逃げることなく必死に向き合ってきています。どんな時も彼は決して目を背けず、今やるべきことのみに集中して努力してきた経験こそが今の彼の自信に繋がっているのかもしれません。

みなさんも一生付き合っていく仕事に対し、最大限継続して努力してみてはいかがでしょうか?もちろん、その過程の中で壁にぶつかることもあるでしょう。ただ、そういう時こそやるべきことに集中し、チャレンジしてみてください。過去は全く関係なく、今を全力投球で挑戦していきましょう。

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