カカオ豆の産地を知る〜フェアトレードチョコレートという「おいしい選択」

チョコレートの原材料「カカオ豆」の産地はどこ?

みなさんチョコレートはお好きですか?

大声で「No」と言える人は少ないでしょう。そのくらい日本人に愛されている存在のチョコレート。ではその原材料の「カカオ豆」の産地はどこでしょう?と聞かれたら「う〜ん…」となってしまうかもしれません。

チョコは好きだけど、原材料の「カカオ豆」については、え?どこで作ってるの?という方のために、今回は分かりやすく解説していきます。

カカオ豆ってなんだっけ?生産条件と生産地ランキング

カカオ豆がどのようなものか、実物を見たことない人が多いと思いますが、チョコレートのパッケージのイラストは見たことがあるのではないでしょうか?これは「カカオの実」と呼ばれ、小さめのラグビーボールのようなフォルムをしています。

カカオの実の中に20〜40ほどのカカオの豆(種)が入っています。これを発酵、乾燥、焙煎したりしてカカオ豆として輸出されています。

では、カカオの生産の条件とはどのようなものでしょうか?

<気候>
・平均気温27℃以上
・年間を通じて気温差が少ない
・高温多湿
・日照時間5〜7時間程度

<土壌>
・ローム層(粘土が25〜40%程度)
・水はけがよい

この条件が当てはまるのが赤道から北緯・南緯ともに20度以内と限られています。このカカオの生産が盛んな帯状のエリアは「カカオベルト」と呼ばれています。

カカオ豆の産地はどこ?と質問されると、なんとなくイメージがあるのは「ガーナ」ではないでしょうか?

たしかに日本が輸入しているカカオ豆の7割はガーナで生産されたものです。だから、われわれ日本人にとっては「チョコレート=ガーナ」なのです。

しかしながら、実は世界1位の生産国は「コートジボワール」、2位が「ガーナ」、それに続き「ベネズエラ」、「エクアドル」などがあります。

カカオ豆は品種は同じでも産地によって味わいや風味に大きな違いが出てくるのです。しかし、 われわれ日本人は基本「ガーナ」味しか知らなかったのです!

チョコレートは広い地域で作られていて、味にもそれぞれ特色があります。

社会問題になってしまうほどの生産現場の実情

次は私たちが普段口にしているカカオ豆を作っている農家さんたちの様子をご紹介していきます。

カカオ豆の生産には現在、「児童労働」「環境破壊」が問題視され、世界的に解決すべき課題とされています。カカオ豆は世界的には先物取引で流通することがほとんどであり、需要と供給の予測のみで価格が決められているのが現状です。

カカオ豆農家は量を多く作ること、つまりは農地を拡大することでしか収入を上げる手段がありません。しかし、もともと貧困状態にある農家では農地を広げることもできず、低い生活水準から抜け出せずにいるのです。「所得の低さ」が児童労働や搾取の一因になっており、また、農地拡大による熱帯雨林の大規模な伐採が環境破壊の深刻化を招いています。

カカオ豆生産者を救うフェアトレード

世界のカカオ豆生産2トップのコートジボワールとガーナだけで世界の60%のカカオを作っています。そんな2ヵ国が生産者の生活水準の向上を目的に「カカオ豆の値段を2割上げます!」と宣言しました。2020年10月以降の取引から適用されます。

いわゆるフェアトレードです。

カカオ豆に対して適正な価格の下限を定め、生産者の貧困をなくそうという取り組みです。「貧困をなくそう」という目標は、いま話題のSDGs(国連が定める持続可能な17の開発目標)にも含まれており、近年注目されています。

私たち消費者がフェアトレード製品を積極的に選択することが「地球上から貧困をなくそう」を実現していく大事な一歩なのです。

「なるほど、フェアトレード製品はどうやったら買えるの?」

簡単にわかる目印は「認証マーク」です。

「認証マーク」は基準や目的は違いますが、国際問題や環境問題への取り組みをしてる商品ですよ!というマークです。代表的なのが次の4つです。

・国際フェアトレード認証ラベル
・レインフォレスト・アライアンス認証マーク
・WFTO(世界フェアトレード機関)マーク
・UTZ認証マーク

そんな認証マークのついたチョコレートを買いに行きたいと思った方へ、オススメなメーカーやセレクトショップをご紹介します。

フェアトレードなチョコレートを扱うブランド3選

People Tree(ピープルツリー)

ピープルツリーはフェアトレード専門ブランドで、オーガニックコットンなどこだわった素材を活かしたファッションアイテムを中心に扱っています。

そんなピープルツリーはフェアトレード・チョコレートも販売しています。素材や製法にこだわり、さまざまな原産国のカカオ豆の味が楽しめます。そして何よりパッケージがかわいいのでついつい欲しくなってしまいます。さすがファッションブランド。

チョコの包み紙にある「カカオポイント」を集めて応募すると、応募者(あなた)とカカオ農家に、それぞれうれしい贈り物が届きます。ついついポイントを集めて、カカオ農家の方に喜んで欲しくなっちゃいますね。

Divine Chocolete(ディバインチョコレート)

ディバインチョコレートは西アフリカの伝統的な文様がモノグラムのようなパッケージで見た目もおしゃれです。

こちらの特徴は会社の運営方法です。生産農家たちが会社の経営に直接関わっています。ガーナのカカオ農民グループが株式44%を保有しており、運営権を持って会社の方針を決めているのです。得た利益の使い方も農民グループで決められ、現地の学校の建設や生活の改善に使われています。

自分たちの生活をもっとよくしたい、たくさんのカカオ農家を助けたいという思いから、市場をどんどん広げたり、品質にこだわったりしています。イギリスをはじめ、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ諸国、韓国、そして日本へと広がっています。

カカオ農家が敏感にニーズを捉えることで素早く商品作りに活かせます。他のチョコレートメーカーにはない強みを持っています。

Chocolate Sole(チョコレートソール)

チョコレートソール社は1940年スペインのバルセロナで創業した老舗です。1999年よりオーガニックチョコレートの生産を開始しました。カカオ豆の産地はドミニカ共和国。環境保護のためパッケージにはアルミ使用をなくし、紙のみのパッケージです。

このチョコレートの特徴はダークチョコレートです。カカオ豆100%など、豆の味を際立たせているため、カカオ豆の苦味や酸味を堪能できます。「これがカカオの味か!」と少し大人の味がなんともリッチな気分にさせてくれます。

カカオ豆100%の他にもビターなチョコレートが多いです。アーモンドやジンジャー ペパーミントなどおもしろい組み合わせも多いのでついつい食べてみたくなります。

カカオ農家を笑顔にするフェアトレード ・チョコレート

私たちの子供や孫の代でもおいしくチョコレートが食べられるために、持続可能な生産の仕組みへ変えていく流れが求められています。そのための手段のひとつがフェアトレード・チョコレートです。

せっかく大好きなチョコレートを食べるなら、素材にこだわったよりおいしいもの、そしてカカオ農家さんたちを笑顔にする商品を選んだ方がなんだかステキですよね。

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